ブレーメンコンサルティングってどんな会社?

2008年夏のインターン生C.G. Deering嬢とのQ&A

1. ブレーメン・コンサルティング(以下:ブレコン)のビジョンについて教えて下さい。

“Designing for sustainability”を目指しています。

持続性のある社会実現のため企業、政府、自治体と一緒に、政策やポリシーの作成、活動のためのフレームワーク作りを行っています。一過性のイベントやセミナー・講演会で終らせることなく、長期間(3年程度)のスパンで企画立案した施策を、持続的かつスパイラルアップして行く方法を提案しています。それらを称して“Designing for Sustainability”と言っています。

2.一般的に使われている「CSR」とブレコンが標榜する「CSR」は違いますか?

違います。もっと広義にとらえています。

CSRの概念はムービングターゲットと言われるように時代と共に移り変わります。また、人々のそれぞれの立場によって、とらえ方が違ってくるものです。それらを理解した上で「日本のCSRのとらえ方は、コンプライアンス、ガバナンス、リスクマネジメント、規制に従った環境対応に偏りがち」と感じています。

ブレコンではCSRを俯瞰的に(広義に)とらえて「貧困の撲滅、生態系・生物多様性の保護、先進国の消費のあり方」も含めて考えています。このコンセプトによって企業の本業とリンクした形でCSRを推進することができます。また、生活者の立場に立ったCSRの推進にも役立っています。

昔「小さな政府」という言葉が注目されましたが、ブレコンでは「小さな地球ですむようなCSR対応、企業経営、生活設計」を提案しています。

3.貧困の撲滅や生物多様性の保護がCSRにどうつながるのですか?

密接につながっています。C.G.は「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉を知っていますか?

わかりません、今インターネットで調べてみます。

あ〜、分かりました!複数のことが回り回って、桶屋さんが最終的に儲かったという例え話のことですね。

そう、その通り。現在のグローバル化された世界では、先進国で消費を謳歌すると発展途上国で児童労働につながり、マングローブ林の伐採や鉱山開発で禿山になって環境破壊につながるようなケースが多々あります。企業が見せかけの環境やCSR対応に陥らないためにも「貧困の撲滅、生物多様性の保護、先進国の消費のあり方」が重要なのです。

「コンプライアンス、ガバナンス、リスクマネジメント、規制に従った環境対応」は法律や条令、国際条約によってなにを守るべきか、いわば正解が存在している項目です。企業が守って当然のことであり、企業の操業免許証のようなものです。

「貧困の撲滅、生物多様性、先進国の消費のあり方」、これらを含んだCSRとしての解決こそ、21世紀に求められているCSRであり、企業の持続性を保証するものです。

4.今後の企業とCSRのあり方についてどうお考えですか?

2つのグループに分かれると思っています。

ひとつはCSRを宣伝や広告の流行言葉としてうわべだけで使うグループです。欧米では厳に慎むよう規制されていますが、100の環境や社会に悪い事をしていても2つの善行を行い、あたかもその2つがその企業の全ての実態であるかのように宣伝することです。

製造台数を競う自動車会社の基準も、年間1000万台を製造した企業がエクセレントカンパニーとして褒め称えられる社会が正しいのでしょうか?年間100万台の製造でも利用者が満足できる新しい交通インフラ作りが望まれているのではないでしょうか。

小売業の例でいえば、安い物を大量に売り込む発想よりも、フェアトレードによる適正価格の物を、必要最小限の販売にとどめることが望まれていると考えています。

もう一方のグループは、3つのCSRの本質を企業経営に組み込んで、全社一丸となって全体最適を考える企業群です。ブレコンは企業、国、そして社会の枠をも超えて地球規模の全体最適を考えています。地球規模の全体最適とは、生態系や生物多様性にも配慮した行動です。「あらゆる真理は自然の中にある」というのがブレコンの基本的な考え方です。

5.ブレコンを創立したきっかけは何ですか?

生態系や生物多様性の保護のために全く新しい発想の会社を創りたかったのです。

私は社会人として35年間、営業、研究開発、コーポレートファイナンス、環境、CSRなど、それぞれの時代に、最先端の仕事に携わってきました。大変良い経験をさせていただきましたが、当然のことながら企業は、経済中心に回っており、貨幣価値による運営がなされています。ブレコンが標榜する“Designing for Sustainability”は現在の経済システムでは評価しにくい項目です。一企業を越えた社会、地球規模の全体最適を評価する基準ができていないからです。しかし、ブレコンが目指す地球規模での全体最適を考えた“Designing for Sustainability”の時代は間違いなくやってきます。そこに、楽しみと興味を抱いて、全く新しい企業体を創立したのです。

ブレコンは、現在は一般的な株式会社の形態を取っていますが、ゆくゆくは、弊社の組織運営理論である自然体系に近い形で企業経営を行うFermentation Theoryによって運営していきます。

【注】Fermentation Theoryについては、要旨をこのHPに漸次公表してゆく予定です。

6.経済と環境やCSRは本当に両立するのですか?

結論から言うと両立します。2つの視点から述べましょう。

第1の視点は現在の経済中心の社会から見た視点です。第2の視点は環境やCSRが社会の中心になったときに経済がどう変わるべきかを論ずることです。

第1の視点のわかりやすい例として環境経営についてお話します。1990年代初めに環境問題が企業に投げかけられたとき、企業はコスト要因として環境対応をとらえられていました。時代が進むと環境に配慮した製品を作る事で企業間競争に打ち勝てるようになりました。環境配慮製品は結果的に製品の部品点数を減らせ、軽量化されるだけではなく、製造工程での環境への配慮や製品使用時の電気量の削減やガソリンの削減へとつながってきました。このように、環境に配慮した企業はあらゆる面で勝ち名乗りをあげ、それに伴ってブランドイメージも上がりました。

一方、CSRはまだまだペイするところまでは至っていません。それはCSR項目の多くが貨幣価値で表わすことが難しく、かつ、どこまでを企業が守るべきか、ボーダーラインがはっきりしないからです。いずれ環境経営同様にペイするようになると思われます。

そこで、第2の視点へ移ります。現在の経済発展がこのまま続けば、人口の爆発、資源の枯渇、食糧の供給不足、水不足、気候変動など、地球環境への影響は避ける事ができないでしょう。21世紀は、人類の公平・公正・公明に向けてどれくらい生活の中でガマンできるかにかかっています。そのためには、環境やCSRの規制が一段と強くなると思われます。現在の法律、規制、国際条約などは、経済発展をベースに考えられたものであり、生態系の保護という視点からは、ほんの一部の規制に過ぎません。

生態系全体(地球規模)の発展を考えると経済中心の社会をあらゆる動植物を含めた地球規模のルールに変えていく必要があります。第2の視点では、経済の中に環境やCSRがあるのではなく、生態系や生物多様性、言い直せば地球環境を守るために環境やCSRのルールができて、その中にのみ経済発展も認められるのです。

我々人類は今まさに第1の視点から第2の視点に移ろうとしています。だからこそブレコンでは「CSRは社会の変換点」と考え、「あらゆる真理は自然の中にある」と、その回答を自然に求めているのです。

7.社会に対してなにか困っていることはありますか?

「人財」 「規制」 「経済編重の社会」に問題を感じています。
人材

ブレコンのような国の政策、企業の理念やフィロソフィーをコンサルティングする会社では、創造的でプロアクティヴに働ける人財が必要です。ブレコンには、ルーチンワークはありません。まったく新しい発想で国、企業、自治体と協働できる優秀な人財を求めています。しかも企業の垣根も国の垣根もなく地球の全体最適を考えるグローバル化を越えた、「もやしもん」に出てくる酵母菌のような存在なのです。英語は必須です。中国語、ポルトガル語、スペイン語も堪能な方がこれから必要になります。学術エリアでは、情報、生態経済学、生物学、農学、薬学、醗酵・醸造学などの分野です。

【注】「もやしもん」は発行部数300万部を突破した人気コミック漫画です。

規制

ブレコンはまったく新しい発想で運営されています。組織が大きくなってもヒエラルキーを作り、コンプライアンス、ガバナンスにコストと人財を増やしていくことをしません。酵母菌が分裂して同じ物か多数できるような経営手法(Fermentation Theory)を駆使して運営して行きます。このような企業形態では、現在の株式会社、NGO/NPOにはないルールが必要になります。現在の株式会社制度、税制、国際会計基準、金融システムなどが適切に対応できるように、独自の経営手法とともに、規制側の立場に立った新しい企業形態の受け入れ態勢についても提案していく所存です。

経済偏重

経済偏重に慎重な立場を取っているとはいえ、若い人材を育てるためには、現在の経済システムに則って、売り上げや利益を必要最小限は確保しなければなりません。現在はボランティアによるサポートや寄付金、執筆活動によって運営資金が賄われています。

新しいFermentation Theoryによる経営は、言わば「企業としての自給自足」を目指すものでもあるのです。

質問者C.G. Deeringより

立命館アジア太平洋大学3回生、アメリカ出身のC.G. Deeringと申します。今年の夏(2008年6月16日〜7月10日まで)約1ヶ月間、ブレーメン・コンサルティング(株)でインターンシップをさせていただきました。

ブレーメン・コンサルティングはまだ、産まれて間もない会社なのでホームページ更新、翻訳、事務仕事など、様々な業務を任されました。わずか1ヶ月という短期間にもかかわらず、たくさんの方々と会わせていただいて、とても有意義な体験でした。ブレコンで働いている方々は、ボランティアも多く、夢を持って、やる気のある方々ばかりで、とても良い勉強になりました。

会社の30uを越す広いバルコニーには、ガーデニングがされていて、花を見ながら、仕事ができてとても気持良かったです。週末には、ボランティアの皆様と一緒にガーデニングもできて、楽しかったです!

英語と母国語並みの日本語、そして、このインターンシップで学んだことを生かして、日本で就職したいと思っています。